建物のウツワを各階に収まる要求室合計で除した値を、私は各階の「余裕度」と呼んでいます。この「余裕度」がいくつであれば自分は要求室がスムーズに収められるか、ここを一つの判断材料にしています。
私のスタンダードは「1.3」。
その根拠は何か?
それは経験測です。
自分の図面を振り返ってみて「あーこのプランニングは比較的すぐまとまったけど、余裕度が1.4だったから楽に感じたんだな」とか、「このプランニングは余裕度で1.25という数字が出てきたのに要求室の面積調整や階別振分けを検討せずに突っ走ったからコマプランでまとめきれず時間が奪われたんだな」とか、そういう積み重ねによる経験測。
適切な余裕度の値は建物の種類によって異なる場合があります。ビジネスホテルのような小さな要求室に二重廊下で計画するとまた必要な余裕度もかわります。
建物毎に変わってしまう余裕度、どうコントロールすればいいのか?
てっとり早い対策としては、今年度の試験元からの課題が発表されたらフリープランニングをして自分のスタンダードな余裕度を把握する。その余裕度を把握しておけば「このボリュームをこの階に全て収められる、収められない」という判断が比較的すぐ出来ます。
そのことによりエスキスの時短につながることになりますし、苦しい余裕度だと階別振分けを再確認しようという判断になり、階毎の適切なグルーピングを意識することが出来ます。